レシートや領収書を使った入力時の注意点

 最近はアスクルやAmazonなどのネットショッピングを利用して事務用品などを購入することが増えましたが、会社を立ち上げたばかりの頃は、まだ実店舗での購入も多いです。

 レシートでなく領収書での発行は必要なのか?経費の根拠資料として証拠能力を高めるにはどうすべきか?などの疑問もあるかと思います。今回はレシートや領収書を見て入力するときの注意点を確認していきましょう。

目次

支払方法に注目しよう

 レシートや領収書で入力するときは、まず支払方法に注目します。

 振込みで支払ったときの領収書が届いた場合は、銀行口座の入出金データとその領収書で経理データを重複して入力してしまう可能性があります。例えば、不動産購入時に前払い分の振込みを行うと領収書も発行されます。振込みを行った際の経理データは、銀行の入出金データからのみ入力するようにし、受け取った領収書は入力せずに保管する、というルールをあらかじめ決めておくとデータの重複を防ぐことができます。

 クレジットカードやQRコード決済などは後日、銀行口座から引き落とされます。そのため、いくら引き落とされるのかを確認するため、未払金などの負債科目を使用して管理します。レシートなどを支払方法ごとに保管し、カード明細と照らし合わせて、足りないレシートがないかを確認しましょう。もしレシートがどうしても見つからない場合は、出金伝票にできるだけ詳しく記入してカード明細と一緒に保管しておきましょう。

 経費として認められるように根拠となる資料をできるだけ残しておくことが、自分自身を守ることにつながります。出金伝票を記入していても経費として認められない可能性もありますので、可能な限りレシートを保管するようにしましょう。

レシートや領収書で入力するときの日付は決済日で入力しよう

 レシートや領収書で入力する場合は決済日が経費の日付となります。レシートや領収書にはあまり多くの日付が記入されていないので、迷わずに入力することができるかと思います。

 駐車料金のように利用時間に応じて料金が発生するものも決済日で入力します。レシートや領収書では、長期間対応する保守サービスのような料金が記載されているものは見たことがありません。保守サービスのように長期間にわたる料金は、請求書や口座引落しの通知で届くことが一般的です。

固定資産となる場合に注意しよう

 単価が10万円を超える物を購入したときは、経費ではなく固定資産として扱われる可能性が高くなります。特に、家電量販店のレシートには注意が必要です。

 固定資産となるかどうかは使用単位の確認や使用用途、付随費用の計算など確認する点も多く、10万円を超えたからと言って必ず固定資産になるわけではありません。税務上の特例もありますので、よく検討を行う必要があります。

 ゴルフ接待なども10万円を超えることがあります。ただ、その内容はゴルフ場の利用料となり、物品ではなくサービスの提供となるため、固定資産の対象にはなりません。経費として処理することができます。

レシートをもらうべき?領収書をもらうべき?

 買い物をするときに領収書を発行するかどうか聞かれることがあります。そのとき、レシートの方がいいか、領収書の方がいいかと迷うことがあるでしょう。

 領収書は宛先が記載されているので、「ちゃんと会社が払いました」ということを証明するための資料になります。ただ、領収書は手書きでの対応が多いため、消費税の金額を確認するために必要な記載事項が書かれていないことが多いです。また、宛先が書かれていない場合や上様となっている場合もあり、会社が支払ったかどうかを確認できないことも少なくありません。

 一方、レシートは商品やサービスの内容、消費税の確認に必要な事項がほぼ記載されています。ただ、会社が支払った証拠になりません。そのため、高額な経費では根拠資料としてやや不十分です。会社で支払っていないレシートを経費として処理してしまうことも考えられます。もちろん、脱税になるため、他人のレシートを経費にする人はほとんどいないかと思います。

 そこで、会社が支払ったことを証明するために、クレジットカードなどの電子決済で支払います。するとカード明細などに支払ったことが明記されるため、カード明細などとレシートを一緒に保管することで、誰が何を購入したのかが確認できる証拠になります。

 このようにレシートと電子決済をうまく組み合わせて、証拠能力の高い資料を残すと良いでしょう。

まとめ

 レシートや領収書で入力するときの注意事項を確認してきました。

 受け取るときは領収書ではなくレシートを選びましょう。高額なものは電子決済を使い、カード明細などとレシートを一緒に保管するのがおすすめです。

 支払方法が振込みの場合は、領収書が届いても入力しないように注意しましょう。日付は、決済日を入力すれば大丈夫です。

 何気なく受け取っていたレシートや領収書ですが、経理の視点から見てみると意外な注意点があることに気づきます。こうした細かな点を意識することで、この後に行う入力の効率化にもつながります。自分なりのルールを考えてみるのもおすすめです。

目次